改めて対話ってなんだろうと考えてみています。
「対話」は広辞苑では
「向かい合って話すこと。 相対して話すこと。 二人の人がことばを交わすこと。」
wikipedia では「直接に向かい合って互いに話をすること」
(対話:ダイアローグ なので2人が元かな。2人以上の複数でも使う)
「会話」より、深めの内容を語りあうもの という印象もあります。
「安心(心理的安全性)」と「意志」の2軸で考えてみた
自分的に対話みたいなものをいくつか考え「安心(心理的安全性)」と「(アウトプットへの)意志」を縦横の2軸で取って配置してみました。
一番左 意志は特になし お気楽 ぬるま湯
⓪普通の会話 井戸端会議
特に会議とかではないただの会話
アウトプットはしないでもいい 緊張感はない 一方で絆感もゆるい
コミュニティ内であれば、ゆるい親ぼく 人間関係の持続 生存確認 といった裏目的/意味 はある
左下 参加者の気持ちはクローズ・意志も低い
①やらされ会議・なんとなく会議 さむい場 Close Mind & Close Heartたぶん会社や社会の生産性をめちゃ下げている「会議」
開催目的はあいまい。参加者は他人事で、意志もなく気持ちも閉じていて、成果への意志も低い。当然アウトプットも出ない。
でも顔合わせにもなるし、出ないよりは出たほうがいいみたいな感じでなくならない。目的やオーナーシップの明確化や仮想参加とか改善の余地はいろいろある。
右下 参加者の気持ちはクローズだが・意志は高い
②a 論戦・論破・教唆 きつい場 Close Mind , Close Heart
議論で勝ろうとする場
たぶんプレッシャーだけが高い「きつい会議」
参加者は誰かに勝ろうとする。
説得合戦
他の参加者への評価、あらさがしが横行。
話す内容よりも人間批判に偏りがち
各自が自己防衛 守りに入る (視野も心も)
心理的安全性が低く
(1)無知だと思われる不安
(2)無能だと思われる不安
(3)邪魔をしていると思われる不安
(4)ネガティブだと思われる不安
があるため、発想は広がらず、気持ちも閉じていて、アウトプットは出づらく、出たとしても驚きのないもの。
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批評・判断・評価への恐れを超える
ジャンプ1
ここに 心理的安全性 を実感できる何かがある
話す内容 と 人間は別 なんだ! 的な オープンマインドさとか
共通認識を持てるルールとか出来事とか
旅だとイベントがある
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②b 議論・討論・ディベート 率直な場 Open Mind , Close Heart
a よりも、意味ある議論をなすことに主眼がある。
開催目的は明確。参加者は真摯で成果への意志は高い。
話す内容 と 人間は別 オープンな思考で語ることができる
a よりも 心理的安全性は高い
(無知、無能、評価、場違い、ネガティブ だと思われる不安は低い)
ただし、議論は科学的・客観的である一方で、自分事とは別なもの、他人事として、冷たい議論、血の通わない議論でもある(よくも悪しくも)。
②c 建設的議論・ブレスト オープンイノベーション 率直な場 Open Mind , Close Heart基本的に bと同じ。b よりも さらに心理的安全性が高い
より多様性が尊重されている
巨象(虚像)をみんなで触ることによって、全体性(全体象)が見えてくる
自分が受け入れられないことへの恐れ を超える
ジャンプ2
ここに さらなる心理的安全性 を実感できる何かがある
素のままの自分でここにいていいんだ(; ;)的な オープンハート💖さとか
安心感を持てる出来事 自己開示を誰かがして受け入れられている とか
自身も自己開示したら受け入れられて鎧がとけた とか
旅だとイベントがある
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左上 参加者の気持ちはオープン・意志は低い
③ 聴いてくれる会 あたたかい場 オープンダイヤログ 共感 Open Heart
何かを生むことや作ること、アウトプットを目的とした会議ではない
お互いの調整や相互理解にはつながるが、それも目的とはしない
それ以前に、
存在を存在しているだけで肯定する・認める・受け入れる・承認する
沈黙も大丈夫
ただ聴いてくれる あたたかい場 共感ある場
Be-ing(ただあること/いること/存在すること)だけでよい場
(ただしややもすると、ただのぬるま湯、ゆるい会にもなってしまう)
そして一番大切なことは
自分が 自分を 受け入れる こと
自分の声にちゃんと耳を澄ますこと
自分をもっと感じてあげること
自分を尊重すること
これなくして 共感的な対話はありえないだろう
ここからやっと 相手の靴を履く とか 共感的な対話が はじまる
意志の自然的(じねんてき)生成
ああしなければ こうしなければ
という、思考からコントロールや操作する行動ではなく
内側から、いのちの源から
ああしたい こうしたい こうあれたら が 湧き上がってくる
それは 共感的な対話を通して 相互生成、創発的にもなっていく
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右上 参加者の気持ちはオープン・意志も高い
④ 尊重し高め合い 創造的・生成的な「対話」
アツイ場・学ぶ場 Open Mind & Heart
自分を大切にできるから他者も大切にできる
③よりも開催目的は明確。参加者は真摯で好奇心に満ち、積極的。成果への意志も高い。③を土壌・種として芽生え、茎葉が伸びてくる。
②b,c同様、話す内容 と 人間は別 オープンな思考、科学的視野で語ることができる
さらに②よりも 心理的安全性は高く、他者の意見にも共感的に耳を傾け、共身体化される。自分事~私たちごととして捉えながら、血の通った話ができる。
オープンダイヤログ*オープンイノベーション
“私”がなくなる事、死への恐れを超える
集合的ジャンプ
"私"への執着がなくなる
死への恐怖が手放される
私も他者も大切というよりはひとつのいのち
ワンネスの実感 多と一の昇華
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超右上 安心で意志も高い集合的な流れとして
⑤ 場が語り、場として動く Open Will ,Open Body
③や④が極まる中で、私が話しているのではなく、場が、集合的な私たちが、背景が、沈黙から 話しているような聴こえてくるような生成されていうような時、感覚、動き、流れ が生じます。集合的な流動的知性みたいな。
(ゲーテ的対話。ボームだとコヒーレンス(位相がそろってる・共振的)の高いダイヤローグ。オットーシャーマーのU理論だとレベル4。コーリングとかもそうかもしれません。神がかり は 意志は低いので微妙かも)
Open Mind(思考) ~ Open Heart(ハート) と来て、Open Will(意志)またはBody(身体) になるでしょうか(U理論から)。
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「対話」は③と④の間かな
いろいろ書きながら「対話」は③と④の間かなと想います。
③のように存在が歓迎された場で、自然にさまざまなことが生成されたり、わたしと他者が波のように干渉し合いまじりあいかさなりあったり交わり合ったり滲み合ったり(量子的でもある)、時には、なにか目的をもった議題について私ごと~それぞれごと~私たちごととして対話がなされ、そこから未知な答えが生まれてくる。時には⑤からの啓示もある、みたいな。距離的に近い②の率直的建設的な場も、あつくなってきた時に私たちごと的場になっていることもありそうですね。
&
実はこれは心の中のことでもある
これって実は集団の話だけでなく、私の心の中のことでもある。
分人といったりするけれど、心の中にも多様な私がいて、社会をつくっていたりする。Individual=分けられない個人 なんて幻想で、Dividual=わけられる人:分人 だ。だから自分で自分を受け入れてあげれば大丈夫さ💖
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おまけ:平和とは&男性性と女性性の共同創造
書いている中で、非暴力な議論に収まらない場合は、暴力的紛争に発展もするなと思いました。
一方、心理的な平安あってこその平和でもあるなぁと改めて。
(安全保障の名のもとに暴力ありきの平和がまかり通っている現代ですから。)
<暴力・闘い><平安><創造的平和・共生>と書きましたが、<創造的平和・共生>は、非暴力な「対話」を通してしか生成されないのだと思います。NVC:非暴力コミュニケ―ションはまさにそのための技術でもあります。「どんなに素敵な世界であってもそこへの変化が暴力的・支配的な手法であったのでは意味がない。それは「対話」によってなされるしかない。」的なことを言ったパウロ・フレイレの「対話的な教育」も大いに関連しているはず。
男性性と女性性の共同創造
似たような図ですが、横軸を父性・男性性、縦軸を母性・女性性とも見れて、両性の止揚が大事だなと改めて思います。
男性は 何か作ること・見えること・成果を求めがちで、女性は共感を大事にします。両方大事ですが、現代は男性優位なのでバランスを取り戻しましょう。
生と道の弁証法としての命・楕円的な歩み
創ることは楽しいけれど、あくまで遊びで、意味なんてないこと、あくまで歓びであり、そのために他の命を虐げてはならない、他の命を手段にしないこと が大事なんだろう。自分のであれば生死も超えようとするだろうけれど。ただ、命はひとつでもある。ここにきっとこの楕円的生命運動が発生しているのでしょうね(^ ^)。
聴くこと、対話から。
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ご参考
※U理論
7つのステップ、特に1~4が密接にかかわっています。
★ステップ1 ダウンローディング
★ステップ2 観る(Seeing)
★ステップ3 感じ取る(Sensing)
★ステップ4 プレゼンシング
ステップ5 結晶化(Crystallizing)
ステップ6 プロトタイピング(Prototyping)
ステップ7 実践(Performing)
詳細はオーセンティックワークスさんほかを
※心理的安全性
石井さんの整理がわかりやすいんでそれも参考にしました。ぜひこれも
ps.
「ことばの焚き火 by ダイアローグ・イン・デイリーライフ」
ちょうどこの投稿を公開した後に届いて、とっても素敵でした!
まだまだ自分は浅かった(^ ^) 深き「たいわ」の世界よ🔥
でも書いた後だったからこそしみました。
いのちの ことば が 薪としてくべられて タイワ が そこに かさなる波のように たちあらわれたような本 森の中の焚き火 が わたしのなかにうまれ 大地と大空と大いなるいのちの流れにもつながって 6人によって焚き火のように立体的なたいわにもなっていて ほんと ことばの焚き火 です。感謝m(_ _)m
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PS2
私たちの手でつくる未来世代法日本版プロジェクトチームでの対話会です!
🔥「ことばの焚き火」お借りしました m(_ _)m
ことばの焚き火 対話会 2023.6.23「こどもたちの未来、どう感じてますか?」 ことばの焚き火 対話会 2023.6.23「こどもたちの未来、どう感じてますか?」 🔥概要: 焚き火を囲んでパチパチと火の takibi230623.peatix.com
🔥「ことばの焚き火 対話会」で大切にすること
・尊重:自分を お互いを この時間を 大切にする
・素直:素直であろう 話さないのも自由 沈黙の時間も大切に
・配慮:全員が話せるよう短めに話す
・オープン:決めつけて解釈しない 断定しない 否定しない いったん保留する
・ゆるし:イマジネーションやインスピレーションも大切に
・秘密厳守:ここで聞いた個人的な話をよそでしない
🔥🔥🔥詳細はこちらをご覧ください m(_ _)m🔥🔥🔥